95,どうして…






 「何故だ玄冬、なんで分かってくれないんだ!?」
 「何でも何もない。とにかく断る」
 「一度は君だって了承したじゃないか」
 「そ、そんな昔のこと知るか!」
 「第一、これは君の為でもあるんだ。分かるだろう?」
 「……そんなのは、別にいらない……」
 「……玄冬」
 「そうだ。だから、そんな必要はない」
 「そんなことを言わずに、こんなにお願いしているに駄目なのかい?」
 「駄目だ」
 「分からない。何故なんだ本当に!」
 「嫌なものは嫌なんだ!」
 「ノン! 既に腕章だって!」
 「っ、これは、仕方なくだ!」
 「どうして……どうして、帽子を被ってくれないんだい玄冬!?」
 「これ以上お前と揃えたくなんかないんだッ!」




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