「――っかー! やぁっぱお風呂はいいね! 最高!」 「あんた、本当に何歳なのさ」 「シュウユウは本当にオヤジ臭くなるよね。稀にですが」 「るっさいなー。いーじゃん気持ちよく入ってんだからそれで」 「僕はあんたらが居なければもっと快適に入れるんだけどね」 「では入らなければいいでしょう」 「あんな森を探索させておいて、その台詞はなんだい? 大体、あんたが屋敷でじっとしてれば良かったんだよ」 「そうそう。タクト、出かけるときはグレミオさんに行き先言ってけって」 「僕は信用があるので」 「諦めの間違いだろう」 「……ルック?」 「ちょ、風呂場で暴れるなっ」 「おー行けータクトー」 「あんたも止めなよ……本当に子供だよね」 「年下が何をいいますか。そんなことを言うと……」 「……!」 「あ、みずてっぽー」 「の、馬鹿」 「ふふふふふふふ」 「おーうまいうまい」 「ちょ、いい加減に、この……!」 「わ、桶は反則……ああもう、バンダナまで濡れたじゃないですか」 「あははははは、ていうかさ、前から思ってたんだけどなんでそんなんつけたまま風呂入ってンの?」 「シュウユウだって金輪つけたままでしょう。ルックだって」 「これ防水。ルックはー?」 「防水」 「……これは、髪を濡らしたくない時だけですよ」 「うわ、うそくさ」 「本当ですよ。 ……そういえば」 「あ?」 「クライブやペシュメルガと入ったことあるかい?」 「………………すっげえ気になるよなあの二人」 「あ、あるんだ」 「うん……」 「で、やっぱり被ってるんだ……」 「てことは三年前から」 「……ええ」 「外したとこ見たことある?」 「……いえ」 「気になるよな……」 「…………はあ……」 「なんだよルック、気になんね?」 「別に、見たことあるし」 「え」 「本当ですか!?」 「なんで!? いつ!?」 「……なんなんだよあんたらは……」 「え、まじいつ!? 野営の時だって絶対外さないし! 煙わざと向けても脱がないんだぞ!」 「シュウユウ、そんなことしたのかい……」 「クライブだけだけどね」 「本当に暇だね」 「うるさいな。で、いつ?」 「……ここだよ」 「え、だって」 「……あの二人だって髪を洗うときは脱ぐだろ、当然」 「……ああ!」 「その手がありましたか!」 「で、どうやったの!? 新開発の石鹸だよって!?」 「いや、石鹸では洗わないでしょう」 「それ以前に、なんで僕がわざわざそんな馬鹿げたことしなきゃいけないのさ」 「だって。気になるんだもん」 「で、どんな感じでした?」 「どんなって……普通だよ、別に」 「角とか生えてなかった?」 「馬鹿じゃない」 「だってあんなに隠すし」 「……あれはそういうわけじゃないと思うけど」 「んじゃあの異様なまでの様子は」 「単に防犯だと、僕も思うけど」 「ふーん……じゃあ、とにかく風呂に誘いまくれば」 「可能性はあるかな?」 「……まあ、好きにすれば」 「おう! 頑張る!」 「僕も誘ってくれるかな?」 「おーし! じゃあ一日二回は入ろうな!」 「そうですね」 「……僕は誘わないでよ……」 |