「ルックー! はいこれ!」 「……いらない」 「美味しいですよ」 「……シュウユウ。タクト。あんた達がそういって差し出してくるものにろくなものはないからね」 「この間のおだんごも?」 「……っ。あ、あれは、まあ。評価してあげてもいいけど」 「素直に美味しかったって言えばいいのに」 「素直じゃないんです。仕方ないですよ」 「まあね。で、はい、これ」 「……何なの、これ」 「見ての通り。茸汁」 「山の味覚ですね」 「さっき二人で取りに行ってね。ナナミに見つかる前に僕が料理したんだよ?」 「じゃあ美味しくない事に変わりはないじゃないか」 「うわ失礼な」 「いえ、僕も食べましたが美味しいですよ」 「冷めないうちにどーぞ」 「……タクト」 「何?」 「毒見」 「やれやれ」 「本当に失礼な奴」 「ご馳走様。ほら、平気」 「……そうだね」 「そういったじゃん」 「……仕方ないね。食べてあげても……………………?」 「?」 「ルック?」 「あんた達、これ、食べたの? 他には? 食べた奴いるの」 「……いや、僕らだけ」 「そうですよ……」 「……これ、ワライダケだけど、なんともないわけ?」 「げ」 「……おや」 「っ! ろくな知識もないくせに、茸なんか取りに行くんじゃないよ! ほら、鈍いあんた達の身体でも発作が起こらないうちにホウアンのところにでも行きなよ!」 「う、うん」 「……では、また」 「いいから早くいけ馬鹿二人」 「……駄目だったね」 「ちゃんと裂いて料理したのに、まさか見破られるとは」 「でもまあいい感じに勘違いしてくれたけど」 「騙そうとして、心配をかけられるというのは……愉快ですね」 「うわ。あ、つか大丈夫?」 「仕込んでおいた毒消しと一緒に飲みましたから。おかげで不味い不味い」 「あー。 ……ところで、センセの所まじ行く?」 「わざわざ毒を食べて? 忙しそうだから毒消しを飲んだ、でいいでしょう」 「そっか。あー。ルックばか笑いさせてー」 「見物だと思ったんですけど」 「今度はシチューにしようか」 「……他の具材が勿体無いので却下」 「シチューマニアめ……」 「……なにかいった?」 「わっ!? ああもう棍しまえよ、悪かったって」 「ふむ。 ……グラタンは」 「シチューとあんまり変わらない気が……」 「なんですって?」 「! だから棍しまえばかー!」 続、懲りない二人。 |