「やあルック、元気?」 「相変らず無駄に棘のある空気だね」 「去れ人工災害発生器」 「歩く竜巻が何をいいます」 「ところでルック」 「な、軽々しく触るなっていつもいっているだろ」 「今だ、タクト!」 「ふふ」 「た、玉ねぎ……!?」 「それだけじゃないよ」 「かなおろし……? まさか」 「ふふふ。泣いてもらいますよ、ルック」 「ばっばっかじゃないのっ?」 「ふふふ」 「さあ容赦なく玉ねぎの雨を降らせるんだタクト!」 「勿論」 「馬鹿放しな……ぐ!?」 「転移されちゃ台無しだからね。口塞がれちゃ……イタ!? 咬んでる!? 獣、ケモノがいます!! タクトさん早く!」 「了解。そぉれ」 「……!」 「かもぉん!」 「ふふふふふふふ。……凄い匂いだね」 「……」 「うわっ」 「あ、お馬鹿!」 「ぷはっ! ……切り裂き!」 「げっ」 「危ないっ」 「…………優しさの滴」 「ああ、くそ!」 「何やってるんですかシュウユウ!」 「本当に何したいわけあんた達」 「あーあ。ルック。目を閉じるのは卑怯ですよ」 「何がさ」 「そうだよ! おかげで結局僕が泣いてるじゃん! うう、しみる……」 「君は目を閉じてなきゃ駄目でしょう」 「だってそしたらルック見えないじゃん!」 「……阿呆」 「今回は反論の余地がないですね」 「ううう……」 「ああもう……優しさの流れ」 「おーさんきゅー。つか流れ?」 「流水だよ僕は」 「……で、何だったのさ」 「……ああ、それは……」 「ズルイから」 「は? 意味分かんないんだけど」 「だってルック、僕が泣いた所も、話によるとタクトの泣き顔だって見たことあるっていうじゃん」 「……まあね」 「だから、僕らがルックの泣き顔を見てないのは不公平だって話になって。ねえ?」 「そういうことですね」 「で、殴ったり労働させたぐらいじゃ泣かないだろうから」 「これはもう玉ねぎしかないと」 「そうそう」 「見事に失敗したけどね」 「……付き合ってらんないね……」 「あ」 「行っちゃったか」 「……次の作戦は?」 「……お風呂に入って洗顔用の桶に混ぜちゃうとかは……」 「問題は匂いだね」 「シャンプーとかを無闇に振りまいて……は、余計に目立ちますか」 「頑張ろう!」 「そうですね」 懲りない二人。 |