「ルック、なんでもいい、どこでもいいから転移っ」 「は、何で僕が」 「いいから……ああもう! ビッキー!」 「……ふん」 「…………ルック! ビッキーなんか寝てる!」 「あ、そう」 「転移! よし、森の村! ごー!」 「なんでさ」 「えっと、ビッキー寝てんだからしょうがないだろ! 早く! そう、交易! 軍主命令! さあ行きましょう!」 「やだね」 「こら、軍主命令だって」 「効かないよ」 「な、って時間無いから! 早く!」 「……やれやれ。森の村には行かないよ」 「ああもうどこでもいいから早く!」 「ふん」 「着いたよ」 「おう、さすが、て、あ」 「お帰りなさい、シュウユウ殿?」 「シュウーーーっ!? こら、ルック!?」 「ご苦労だったな、ルック」 「ふん。もう僕を巻き込まないでくれる」 「あー!? グルかこら、さいてー!?」 「……ヒントはあげたよ」 「知るか」 「さて、シュウユウ殿、書類を片付けましょうか」 「やだー!」 「……じゃあ、僕は行くよ」 「ああ、また協力してくれ」 「……いやだよ」 「ルックー! 覚えてろよー!」 「……この件で彼になんらかの報復行為を行ったと確信したら、更に無駄に仕事を増やす約束です」 「お、鬼か」 「なんとでも。では、席にお座り下さい」 「……くそう」 リッチモンドの報告書 『三日前、美味いと評判の卵料理屋で二人らしき人物を見たという噂があるが、確証はとれなかった。どうやら口止めされたらしい』 「……………………………………あの卵好きめ……」 |