012.負けない






 「あ、まってよテッド君!」
 「……」
 「ねえ、今日は天気がいいよ。甲盤に行かない?」
 「……」
 「まあ、今行かなくてもいいか。そうだ、お腹すかない? 何か買ってこようか」
 「……」
 「とりあえず何か買ってくるね! おまんじゅうでいい?」
 「……」
 「買ってきたよテッド君! はい、これ」
 「……」
 「あれ? 嫌い? じゃあこれは。蟹入り」
 「……」
 「えっと、ごめん。今日はおまんじゅうは嫌だったのかな。 ……どうしようこれ」
 「……」
 「……え? あ、ありがとう! どっちがいい? うん、じゃあはい!」
 「………………捨てるのが勿体無いだけだ」 
 「ありがとう! 今日始めて返事してくれたね!」
 「……」
 「おいしいね」
 「……」
 「あ、テッド君も弓鍛えたんだよね。良かったら見せてくれないかな?」
 「……おい」
 「! うん! なに!?」
 「五月蝿い。俺に構うなって言ってるだろう……」
 「………………ごめん」
 「……俺は戻る。ついてくるな」
 「あ、でもテッド君」
 「……」
 「今日の午後から僕とテッド君とカイルさんとチープー君で島に行くって。そろそろ上に行ったほうが」
 「…………」
 「行こう? テッド君」
 「…………………………ああ」


 振られても振られても負けないアルド。何気なく支援にカイル。












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