「貴様等! 待て、待たないか!」 「アーハハハ、隊長こっちこっちー」 「ちがうよー。ぼくだよー」 「……相変らず動きが鈍いよね。どうせ僕たちには通用しないんだし、その重いだけの剣、置けば?」 「なっ何を言うか花白! 剣は武人の誇り、そのようなことが出来るわけがないだろう! 馬鹿なことを言うな!」 「てゆーか隊長、他にもポイントあったと思うけど、そこは否定しなくていいのカナ?」 「む……? ――おい、花白! 貴様今俺を侮辱したな!?」 「銀朱ってさー、本当バカだよね」 「わーい! ばーかばーか」 「黙らんかこはな! ええい、貴様もいつまでも笑っているんじゃない救世主! ――ああ、とにかくいいから書類を返さんか!」 「だからー。俺達の誰かが持ってるから、捕まえればいいよって言ってるでショー。だいじょーぶ、三人しかいないから、少なくても三人目は持ってるよー」 「俺には仕事があるんだ! くだらん鬼ごっこをしている暇は無いと何度言わせる気だ!?」 「ちがうよ銀朱ー。おにごっこじゃなくておいかけっこだよー」 「どっちでも同じだろうが!」 「ちがうよー。ことばは正しく使えって、くろとも言ってたよ。ばかー」 「うわ……こはなにまで言われたね、銀朱。だっさい」 「く……とにかく、鬼……おいかけっこをしている暇はない! せめて誰が持っているのか言え!」 「エー。それじゃつまんないでショ。それか、教える代わりに他の二人が全力で妨害してイイっていうなら俺は教えてもいいけどー。どう? ちっこい俺達」 「うん、それなら僕も教えてあげてもいいよ」 「うーんと、うん、ぼくもいいよ」 「じゃーどーする隊長?」 「……………………貴様等待たんかー!」 「あ、逃げた」 「にげたー」 「アハハハ、うん、それが一番いいと思うヨ。じゃあ皆そろそろ本気で走ろうかー」 『おー!』 「なっ!? 冗談では……く、待てー!」 『待てと言われて待つわけないじゃーん』 結局最後に捕まえた花白が持っていたとか。 |