「黒鷹はどうしてそんな胡散臭い格好でいるんだ?」 「おや酷い。この私のどこが胡散臭いというんだい?」 「むしろそうじゃないところがあるか知りたいよ」 「そんな。ん? はっはっは。そうか。さては、私のオシャレぶりに嫉妬しているんだね? 大丈夫、君たちもなかなかのものだよ。特にこくろの鈴はとってもいいと思うよ私は」 「これはお前が無理やりつけたんだろ。歩くたびにちりんちりん鳴って鬱陶しいんだけど」 「ていうかうらやましくないよそんな変な格好」 「胡散臭いとか変とか。失礼な子供だな君は」 「実際胡散臭いでしょう」 「あ、白梟」 「あなたまで。でも、あなたのその格好も充分周りから目立っていると思うんだが……」 「っ! これは、主が私の為に用意していただいた服です! 愚弄することは許しませんよ!」 「うん、だろうねえ」 「?」 「ところであなたは、私が作られた時、裸だったと思うかい?」 「――っ!? ま、まさか……」 「え、なに?」 「だから、黒鷹の服も、その主っていうのが用意してくれたってことだろ」 「おっ、賢いなあこくろは。ちびっことは大違いだ」 「う、うるさいバカトリ!」 「ははははは。で、どうかな。胡散臭いかい? この格好は」 「……なかなか、貴方に合った良い服ではないですか」 「ありがとう! いやあ、あなたに褒められるなんて久しぶりだなあ」 「いえ……私は、ちょっと出掛けてきます……」 「あ、おれもー」 「ああ、いってらっしゃい」 「……」 「ん? どうしたこくろ。君は行かないのかい?」 「……なあ」 「なんだい?」 「その服が、最初に着ていた服なのか?」 「はははははははははー。本当にこくろは賢いなー。その答えは秘密だ! じゃあ、追求されないうちに私が出掛けてくるよ! はははははー」 「…………………………やっぱり、胡散臭いやつ……」 |