「あっバカトリちょっとー」 「あっはっは。なんだいひよこ? いきなり失礼だね君は」 「ひよこって言うなばかー!」 「はいはい、それでひよこ、なんだい?」 「うー……あのさ、この間みんなで「とう」に行ったよね」 「ああー管理者の塔だね、うん、それがどうしたのかな?」 「でさ、白梟の言う主ってやつとか、バカトリのあくしゅみな部屋も見たけど」 「うーん、私の主でもあるんだけどね。それに私の部屋のどこが趣味が悪いと言うんだい。洗練された、いい部屋だったじゃないか!」 「まっかで目がちかちかしたよ。へたくそな絵とかあるし。でさ」 「…………」 「ああもう、いじけるなよ黒鷹。ごめんてば。それでさ」 「……ああ」 「白梟の部屋はいかなかったけど、あるんだよね?」 「………………」 「見たかったけど、見れなくてさ。タカは見たことあるの?」 「……………………うーん」 「おっきい僕にも聞いたけど見たことないって言ってたしー」 「ああ、大君ね」 「うん、あれ? なんでそっちってわかったの?」 「というわけで大君、バレてるから出てき給えよ」 「アレー? バレてたんだ? 自信あったんだけどなー」 「まあねぇ。何の悪戯かと密かに警戒していたんだけどね、そんな質問だったらなんで隠れていたんだい?」 「エー。なんとなくだけどー。俺が聞いたらちゃんと答えてくれたー?」 「やれやれ。一体何を考えているのか分かるような分からないような。まあ、君も照れ屋さんだからなぁ、コノォ」 「アッハッハ、やめてよ黒鷹サン。斬っちゃうよ」 「はははははは、怖いな君は。まあ、私ぐらいしかこんなことしないんだからいいじゃないか!」 「アハハ、ところで黒鷹サン、質問答えてよ」 「そうだよバカトリー」 「おやおや。はぐらかす心算はなかったんだけどね。 ……うん、勿論あるよ。当然だろう?」 「ンーまあそうだよネ」 「どんな部屋?」 「うーん、勝手に言ったら怒られそうだな。どうしても言わなくては駄目かい?」 「だめー!」 「俺も知りたいなァー」 「ってさり気無くドアを塞ぐんじゃないよ君達は。そんなことしても無駄なのは知っての通りだろう?」 「ちっちゃい俺はともかく、俺のは単なる意思表示ってかボディランゲージなのは黒鷹サンも知っての通りでショ?」 「あーはいはい。もうしょうがないな。言いふらさないかい?」 「うん!」 「シナイシナイ」 「……あの文官君とか、賭けの商品でもなんでも言っちゃだめだよ?」 「信用してよ黒鷹サン」 「とか言って君は平気で嘘つくからなあー。 ――まあいいだろう、そんなに特殊な部屋じゃないしね……まあ普通の部屋だよ」 「どんなー?」 「ひょっとしたら白くてレースで繊細なイメージがあるのかも知れないけどね。まあなんと言うか、あの塔は銀で冷たいイメージだし、実際中は普通に暮らすには寒くてね。特に雪の降るような日はもうとんでもなくてね」 「ふぅん、それで?」 「うん、なんていうかね、まあ私の部屋に似ているよ。色は淡いピンクでね、壁に厚いカーテン、床には絨毯。絵はかかってないけど、代わりに色んな小物が置いてるよ。花瓶とか。それで、ビロード付きのベットがあるんだ。その代わり長椅子はなくて、普通の椅子が二脚。三人で住んでいて何故二脚かは……まあ、察してくれると嬉しいよ……そんなところかな? 満足かい?」 「へー。白梟そんな部屋なんだー。やっぱり見たかったー」 「アリガト、黒鷹サン」 「いや? しかし、あの人に聞けば答えてくれると思うけどねぇ」 「アハハハ。俺が照れ屋って、黒鷹サンがいったんでショ?」 「ああ、それはそうだね。うん、じゃあ私はこのあたりで失礼するよ!」 「うん、さよーならー」 「タカばいばーい」 「……で、ちっちゃい俺?」 「なに? おっきい僕?」 「今の話、信じた?」 「え?」 「ソッカ信じた? 可愛いなあちっちゃい俺」 「えー! タカ嘘ついたの!? そうなの!?」 「ウン、多分ね。 ……まあ正直に答えてくれるとは思わなかったけどネ」 「うータカのばかー。バカトリー」 「まあ、あの人も複雑なヒトだからね」 「でもさ、じゃあなんで聞けっていったんだよ」 「……ンー。まあ、なんでもいいジャン?」 「二人とも変なのー。えーじゃあ白梟にききにいくー?」 「止めた方がいいかも」 「なんでー?」 「俺たちが塔に行った時に案内されなかったから。 ……ああもうそんな顔すんなって。もうちょっと大人になったら分かるヨ。じゃあ俺は隊長でもからかいにいくかなー」 「あ、僕もいくー」 「おーし、じゃァ競争! ごー!」 「わ! まてー!」 聞けば答えてくれるけど、なんとなく聞きづらい事。 |