「……というお話だ。どうだい? 面白かっただろう」 「いつもよりは、マシかな」 「バカトリも、たまにはマシな話が出来るんだね」 「はっはっはっは。全くもう、素直じゃないな君達は。よし、じゃあ特別にもう一つお話してあげよう。 ……そう、それはやはり夏の日だった……」 「……というわけなのさ」 「……ふーん……」 「なに、今日はどうしたの? さいごまで話し聞いちゃった」 「ははははははははは! そんなに面白かったかい? 仕方ない、じゃあもう一つお話してあげよう。今度はうってかわって冬の話だ!」 「……という風になったんだが、それはそれで幸せだったと思うよ」 「へえー。それは意外だな」 「行き当たりばったりでもなんとかなるんだね」 「ふふふ。それが人生というものだよ。よおし! こうなったらもう一つ、とっておきのを話してあげよう!」 「いい加減にしなさい!」 「あ」 「白梟」 「一体何時だと思っているのですか貴方は。寝かせつかせるための物語を延々聞かせてどうするのです。こはな、あなたのベットもそこじゃないでしょう」 「……ごめんなさい」 「こくろも、何故止めないのです」 「……めずらしく、面白い話ばっかりだったから……」 「ともかく、ちゃんとベットへお入りなさい」 「……ああ」 「夜は、もう終わりです」 一日の終わりを告げる、終焉の鳥。 |