3,終焉の鳥






 「……というお話だ。どうだい? 面白かっただろう」
 「いつもよりは、マシかな」
 「バカトリも、たまにはマシな話が出来るんだね」
 「はっはっはっは。全くもう、素直じゃないな君達は。よし、じゃあ特別にもう一つお話してあげよう。 ……そう、それはやはり夏の日だった……」



 「……というわけなのさ」
 「……ふーん……」
 「なに、今日はどうしたの? さいごまで話し聞いちゃった」
 「ははははははははは! そんなに面白かったかい? 仕方ない、じゃあもう一つお話してあげよう。今度はうってかわって冬の話だ!」
 


 「……という風になったんだが、それはそれで幸せだったと思うよ」
 「へえー。それは意外だな」
 「行き当たりばったりでもなんとかなるんだね」
 「ふふふ。それが人生というものだよ。よおし! こうなったらもう一つ、とっておきのを話してあげよう!」
 「いい加減にしなさい!」
 「あ」
 「白梟」
 「一体何時だと思っているのですか貴方は。寝かせつかせるための物語を延々聞かせてどうするのです。こはな、あなたのベットもそこじゃないでしょう」
 「……ごめんなさい」
 「こくろも、何故止めないのです」
 「……めずらしく、面白い話ばっかりだったから……」
 「ともかく、ちゃんとベットへお入りなさい」
 「……ああ」
 「夜は、もう終わりです」


 一日の終わりを告げる、終焉の鳥。
 





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