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「やあ、久しぶりだね。ご機嫌は如何かな？」 「……何をしに来たのです」 「おお、折角の再開だというのに、そんな怖い顔をしないでくれ給えよ」 「たかが半年です。用がないのなら来ないで下さい」 「もう半年、だよ。本当につれないね。今は休戦中なんだからいいじゃないか別に」 「私は貴方と違って忙しいのです」 「まあまあ、用があればいいんだろう？」 「……あるのですか？」 「勿論」 「なんです。早くおっしゃい」 「……あの子も、君のあの子もいなくなって。どうしているかなと、ね。いつまで経っても君は帰ってきてはくれないし」 「……私には、ここでやるべき事がありますから。前にも言ったでしょう」 「……確かに聞いたけどね。でも、もう、いいんじゃないのかな？ もう、いいと思うよ、私は」 「……何がです」 「……さて？ ともかく、正直私独りでは淋しくてね」 「とかいいながら戻れば貴方は四六時中どこかへふらふらふらふら出かけるのでしょう？」 「酷いな。そんなに出かけているばかりじゃないよ私は？」 「戯言を。 ……それより、やはり用はないのですね。ならばお帰りなさい」 「いやいやそんな。それに、今言っているじゃないか」 「私に、帰るように、その為に、ですか」 「ん？ まあソレもだけどね」 「なんです」 「純粋に、あなたの顔を見に来たんだよ。独りでどうしているのかなって」 「……私は、独りでは」 「ああ、これは失言だったね。でも、もう……」 「お止めなさい」 「……ああ」 「……これが私の役目なのです」 「だけど、本当はあなただって」 「お止めなさいといいました」 「……やれやれ。ああ、悪かったよ」 「全くです」 「あなたを困らせるつもりではなかったんだけどね」 「……散々、いつでも迷惑をかけておいて何を……」 「ははははは、うん、まだその顔の方がいいよ。怒った顔は怖いけど、嫌いじゃない」 「何を馬鹿な事を」 「はっはっはっはっは。まあ、じゃあとりあえずあなたに会えたし。若干物足りないが今日はこれで帰るかな」 「……そうなさい」 「明日また来るよ」 「な」 「じゃあ、また明日！ はははははははは！」 「……………………本当に貴方という人は………………」 「？ 預言士様、どうなされました？ 今の男は……」 「……ああ、何でもありません」 「そうですか、では失礼致します。お邪魔して申し訳ありませんでした」 「いえ…………ああ、お待ちなさい」 「？ はい」 「明日、寒天の他に肉のパイ包みを…………いえ、やはりなんでもありません」 「……？ はあ」 「邪魔をしました。お行きなさい」 「？ は、失礼します」 「……………………本当に、貴方はつまらないことばかり気が付くのですね……」 |